カテゴリー
未分類

春の味覚狩り

 ここ3年程、南知多にある「萬秀フルーツ」さんの果樹オーナー制度に参加させていただいています。サイトをご覧になると分かりますが、バナナや龍眼など日本では珍しいものも栽培されているのですが、うちがオーナーになっているのは、グレープフルーツ。しかも白い、いわゆる普通のグレープフルーツです。

ハウスに入るとまず、花の香りが出迎えてくれます。これだけでも気が巡ります。

 今年は64キロの収穫。センパイと3人で小一時間で完了。初年度は80キロ近くを2人でだったので、中々大変でしたが、スイスイ収穫できるようになってきました。

 果樹オーナーになって分かった事。1本の樹から獲れる果実の量や質は、本当に安定しないんだということ。ハウス栽培でも、やはり天と地の気が変われば中も影響を受けるんですよね。全体としての収穫量は2年前に比べると激減している可能性があります。
 それを、農家さん一件で背負うとなると、かなり大変な事でしょう。果樹オーナー制度は、そのリスクを農家さんとオーナーで分散できるシステムだと思います。
 現代は、誰かが大きなリスクを背負い、みんなはそれに気づかずに恩恵にあずかる。そういう仕組みがとても多い気がしています。その「みんな」はまた別のところで大きなリスクを背負っているから、自分の辛さに目が行ってしまう。余計に、自分以外の人の背負ってくれているリスクに気付けなくなる。
 気付いて、少し分け合って、網目のようになって支えたら、実際はそんなに辛いことにならないかもしれません。「ありがとう」も「どういたしまして」も自然に出てきそう。その気持ちが自然に湧いて来たら、その気はずーっと、ぐるーっと巡っていって、輪の中の人を満たしていく気がします。
 オーナー制度は、そんなサイクルのきっかけになるかもしれないなと思います。これについては、桜の日々の「おかげさまだday」も似ています。

 毎年春にオーナーとしてお代を支払い、一年間プロにきっちり育ててもらう。翌年の春、「収穫」という文字通り美味しいところだけオーナーはいただけます。収穫体験の楽しさや虫にやられる切なさ(もちろん虫も生きているんだなっていう感慨も。)も味わえて、果物を買って食べるだけとは別格のメリットが大きいです。そういえば、今年はお子様連れのオーナーさんが多かったですね。

 元々、薬膳的にグレープフルーツを皮まで使いたいという理由で始めたオーナー。今年までは同じ樹を選んでましたが、来年分からは亘lab.の樹として仕切り直す予定です。
 2021年4月中のご宿泊の方は、今年のグレープフルーツを食べていただけると思います。「自由にご利用ください」コーナーに置いておきますね。